Super Build SS2 のデモ版を見てみました。

おはようございます。

構造計算書偽造問題も思った通り拡がりを見せていますね。
偽造問題を取り扱ったブログやHPを見ていて、表題のSS2が有ったのでDLして見てみました。念の為『Super Build SS2』は姉歯建築士が使っていたソフトです。見たい方はこちらからどうぞ。http://www.unions.co.jp/structure/ss2/autodemo.htm

私は建築士でもないし、構造計算も精通しておりませんが、パソコンやソフトの事なら多少は分かります。結果から言うと、姉歯氏が言うとおり簡単にデータの改ざんはできます。
データ保存がCSVだからです。データ自身をSS2で使うのではなくて、エクセルで立ち上げて
書き換えてしまえばそれでデータの偽造はできるようです。その偽造したデータを元のSS2で使用するとなんなく偽造書類ができてしまうのでしょうね。

因みに、私が経験したところでは、建築確認図書と施工図面が違うことなんて日常茶飯事だし、図面には出てこない収まり部分で、図面に書いてあることを現場の職人が勝手に変更するも度々あります。配管や換気口をコンクリートを打設前に施工していれば良いのですが、設備屋さんや電気屋さんの仕事の都合でできない場合も有ります。そういう場合はコンクリートを流し込んで固まった後、型枠がはずれてから穴を開ける事になります。となると当然コンクリートの中の鉄筋は切断をしないと穴は開けれません。鉄筋の切断=強度の低下ですね。
建築基準法の第一条を読んで頂くと分かりますが、建築基準法とは最低限の基準ですね。今回はその最低限の基準さえ守られてなかった訳ですが、建築確認で最低限を守られた建物であっても、施工段階で変更や手抜きが行われてしまえばどうしようもないですね。

ここでも現在の風潮がいかんなく発揮される訳です。つまり、現場において各職人は自分の仕事さえ済ませば良い、他の職人の事なんて感知しないです。職人はよく『逃げる』という言葉を使います。現場においての『逃げる』は、その現場の仕事を終わらせて早く次の現場へ行くと言う意味です。トンズラするという意味ではないですが、仕事の単価が下がっている昨今、現場の数をこなさなければお給料にならないのです。商売で言う『薄利多売』ですね。キャベツやリンゴを薄利多売してくれるのは有る程度歓迎かもしれませんが、人の命に関わる建物を造るのに『職』を薄利多売するのは如何なものかと思います。

昔は木造の家を一軒建てるのに完成までは何年も費やしました。私が聞いた話で一番すごかったのは、戸袋一つに一ヶ月を費やした大工さんがいるそうです。(笑)これは特別としても、良い物を作るには有る程度の時間(日数)は必要です。
消費者にとって、安くて良いものは歓迎ですが、安かろう悪かろうはご免被りたいですね。