人は垣、人は堀

おはようございます。
いよいよ8月も終わりですね。来週から9月、二学期も始まりますね。今日は私が一番歎異している事を書こうと思います。異論も有ろうかと思いますが、私なりのビジネス論ですので、戯れ言だと聞き流して下されば結構です。
さて、古より成功者の影には素晴らしい人材が付いていたことは周知の事実ですね。徳川家には本多家、豊臣氏家は竹中半兵衛黒田官兵衛がいたからこそ天下が取れたのです。ま、そんな昔のことはこの際は横に置いて、事業遂行上で如何に人材が大切で有るのかを、人材の大切さを認識せずに、崩壊しつつ有るタクシー会社の例をお話したいと思います。このタクシー会社を仮にA社といたします。
数日前に最終電車で常連様のお客様を送って押っ取り刀で駅へ引き返していました。夜中の1時過ぎのことです。東京のど真ん中でもないので通常は人なんて歩いていないところに男性が2人、女性が1人の3人連れが歩いていました。私が通りかかると手を上げるので停車するとその内の男性が、「三宮までいくらくらいかかりますか?」と尋ねるので、私は「この時間だと1万5、6千円かかるでしょうね。」と答えました。するとその人は、「1万円で行ってくれへんか?」と言うので私は「それはできません。」と言うと、その人は、「いくらだったら行ってくれる?」と言うのです。私は「いくらって、メーターが出た分頂きますから走ってみないと分かりません。」と答えました。明らかにその客は値引き交渉をしてきたのです。それに対して私はあくまでNOで突っぱねたのです。私も人間ですから、困っている人を見ればその人を助けるために通常より安く走ることも有りますが、真っ先にダンピングを要求してくる客には決して応じません。その客は「あほらし、ほなええわ。」と言うので私はその場を後にしていつもの駅へと帰ったのです。その客は自分が何をいっているのか理解してないのです。三宮まで1万円ということは、高速代や燃料代をさっ引くと通常運賃の半額ほどになってしまうのです。率で言うと¥630を¥315で走れと言うことなんです。夜中の2時から何が嬉しくて眠い目を擦って半額で走ることなんてできません。いつもの北口へ帰って仕事仲間にその事を話して、帰り支度をして南口へ回ってみるとA社の車がその客を乗せて発進するところでした。値引き交渉が成立したのでしょうね。A社の運転手は平気でダンピングして走るのです。A社の車は普通の会社ですから運転手の歩合は約50%、メーターを倒さずに走れば会社抜きで全額自分のものですから、客から1万円貰えば、2万円の仕事をしたのと同じ事になるのです。わたしの会社は元々メーター分を頂けるので私が走ればそれは¥7500、通常の半額になるのです。もちろんメーターを倒さずに走るって事は会社への背信行為で有り、業務上横領罪なんです。でもその会社の乗務員はそんな事はお構いなし、平気で『トンボ』をするのです。確かに私などはタクシーの乗り始めに先輩から、「一人前の運転手ってのは飯代やお茶代は給料から使うもんじゃないよ」と教えられました。それは業務上横領罪を犯して会社に背信行為をしろと言う意味ではなくて、あくまでその運転技術を磨いて、接客も訓練してお客様に心地よく乗って頂いて、お客様のチップで飯代やお茶代を賄いなさいと言うポジティブな事なんです。それがA社の運転手は言葉を取り違えて、背信行為や罪を犯してでも小遣いは作ると勘違いしているのです。それがまた社風になってしまっているのです。だから客もどのタクシーでも値切れば応じてくると勘違いして、私にもダンピングを要求してきたのです。そんなだから会社の収入は減る訳で、今やA社は倒産の危機を迎えております。A社はそれを必死に食い止めようとしていますが、一度甘い汁を吸ってしまった運転手は、会社の目の届かないところで不正をしまくっております。おそらくこの不景気で売上が減少して、おまけに燃料代が高騰している昨今のこと、資金繰りができなくなって倒産するのでしょうね。
そんな運転手を作ってしまった事は身から出たサビ、運転手も会社が倒産すれば飯の食い上げ、そんな評判の悪い会社の運転手は他の会社が雇用するはずもなく、不正をして稼いだ目の前の1万円が結局は自分の首を絞めていることに気付かないのです。
ここでもバッタ語録の『アホは罪を作る』が当てはまりますね。
村上常務様へ
今まさにPSIは飛躍しようとしております。上記を他人事と堪えずに、我が事と捉えて下さい。F1のフェラーリを私が運転しても速く走れません。シューマッハだからこそ速く走れます。アリウムエクセラが如何に優れものであっても、それを商う人間がイマイチならば、社会的な評価は得られないでしょう。人材作りこそが今PSIに問われていることです。