談合

おはようございます。
今日はこの頃TVを賑わせている談合問題を取り上げようと思います。
今話題になっているのは、鉄製橋梁ですよね。平均落札率が97%以上だとか。これがどんな数字なのかイマイチ判りづらいのではないかと思います。
概ね公共的な工事は、設計事務所が設計します。この時出る工事費と言うのは、設計単価(公共工事用)なのです。つまり、設計士が設計して、この工事をきちんとやるにはこれくらいの費用がかかるでしょうと言う工事費なのです。一例を上げると、マンションで兵庫県住宅供給公社のマンションの壁の厚みは約30センチ程の厚みが有ります。それが民間のデベロッパーの壁ならば、10センチ程度の壁も有ります。当然ながら、30センチの壁の方が強度、防音、断熱は優れているわけでありますが、10センチの壁でも建築基準法的には何ら問題が無いのです。ただし、経年劣化は30センチの壁の方が良いのは言うまでもありません。
こういう違いが、民間工事と公共工事との間には歴然と有るのです。それ故に公共工事の工事代金は高くなりがちですが、それはそれでちょっと横に置いておきましょう。
お役所の工事は概ね『贅沢普請』だとイメージしてくだされば良いだけです。
今回の工事のような場合は、スーパーゼネコン(超大手の建設会社)が入札します。こういった工事の場合、実際の工事をするのは、良くて孫請け、ひどくなると玄孫(やしゃご)や、まだその下請けになります。分かりやすく言うと、スーパーゼネコンが元請けです。その下請けが1次下請けで、これは概ね地方ゼネコンです。それを、工事現場近所の総合建設会社が2次下請けします。ここで孫請けですね。この時点でまだ『丸投げ』できるようで有れば、また違う会社に下請けさせます。これが3次下請(玄孫)です。ここからが実際に工事をする会社に仕事が来ます。鉄製橋梁ならば、建築鉄工の会社ですね。%的に言うと、落札価格の70%で元請けから1次下請けに発注されます。2次下請けはそれを60%で3次下請けに発注します。これでも美味しい仕事なんです。実際に工事をする会社は概ね設計単価の50%くらいで仕事をしています。これが4次下請け、5次下請けとなると、お役所の発注額の30%くらいで工事をしています。ここまでくるともう利益なんて出ません。多分、仕事をして赤字でしょうね。
なんでこんな構造になるかと言うと、それは資金力の違いなんです。工事って受注してから集金出来るまで立て替え払いをしなくてはいけません。契約時に何%かを契約金として貰えますが、後は完成後なんです。長い工事になると、中間金と言う場合も有りますが、概ね立て替え金は必要になってきます。部材を買えば、信用のある建設会社でも3ヶ月くらいの手形でしょうね。基本的には月末締めの翌月の何日払いとかのシステムです。職人のお給料は毎月必要です。
あまりくどくどと建設業界のシステムを書いても分かりづらいと思いますのでこの辺にしますが、
概ね役所の設計単価の半額程度で実際の工事は施工されていると思って頂いて良いでしょう。
つまり、50%が『無駄』なのです。この50%のお金は全て税金や使用者の通行料なのです。