電卓おじさん

おはようございます。
お盆も過ぎると日没も早くなって、空も高くなって秋めいて来ていますね。
さて今朝はくるくるバスに毎日乗ってくださる中年男性のお話です。
その男性は毎日18:31住吉駅発に乗ってくださいます。土日は乗って来ないので、私の予想ではおそらく公務員かと思います。
毎日毎日はんこで押したように同じ時間に帰れるなんて民官企業じゃなかなか難しいかと思うからです。
時間的に見ると、県庁にお勤めかと思われます。17時に仕事を終わって、県庁から坂を下って、JR元町を18時前後の上り電車に乗ると、丁度18:31発のバスになるかと思います。
その男性は必ずバス待ちに電卓を持って触ったり眺めたりしています。もちろん、車内でも同じです。私はこの人に『電卓おじさん』とニックネームを付けました。
この電卓おじさんは、私が「こんにちは」挨拶をしても、降りしなに「ありがとうございました」とお礼を言っても無視するのです。
いつも無表情で電卓ばかり眺めています。
それがある日娘の家族と一緒に乗って来たのです。娘の家族もよくバスを利用してくださっているので、お顔は見覚えがありました。
娘は日本人ですが、いつも赤ちゃんを抱いている若いご主人は日本語がほとんど話せない外国人なんです。ある日電卓おじさんと赤ちゃんを抱いた外国人と、電卓おじさんの娘が一緒にバスに乗ってきて、電卓おじさんが回数券を買って3人分の料金を払いました。
その姿を見て思いました。全ての謎は解けた! (笑)
私が電卓だと思っていたのは、おそらく電訳機。おじいいちゃんは可愛い孫のために英語を覚えていたようです。おじいちゃんは団塊の世代で公務員、今まで英語なんて知らなくても生きてこれたのが、娘が外国人と結婚したから急遽英語の必要性が出てきたというところでしょうね。孫の力は凄い!
その姿を見てからは、電卓おじさん改め、電訳機おじさんになりました。
くるくるバスが走り始めて7ヶ月、今まで私の挨拶に反応が無かった電訳機おじさんが、なんとこの前から反応するようになったのです。数日前から降りしなに私が「ありがとうございました」と言うと、軽く会釈してくれたのです。会釈初日は1回でしたが、2日目からは会釈が2度になりました。私は心の中で「頑張れ電訳機おじさん。このまま定年を迎えて民間企業で働くなら、愛想良くしなきゃ同僚からも客からも嫌われるぞ。今の内に民官で通用できる人に衣替えしろよ〜」とエールを送っています。