貼り紙事件

おはようございます。
長い間日記もとどこうってしまいました。<(_ _)>
さて今朝は先日有った貼り紙事件を取り上げてみようと思います。

私は現物認識をしていないのですが、数日前にくるくるバスの始発バス停(エクセル東)に貼り紙がしてあったそうです。その内容は『ここは住宅街です。アイドリングはしないで下さい』というような文章だったそうです。それを午前便乗務の乗務員が発見して取って捨ててしまったそうです。なぜかと言うと、6月頃、そろそろ暑くなって来た時に、付近の住民さんが、暑い中をバスに乗って発車を待つ時にエアコンがついてないと熱中症になりそうだと言うことで、待機中にエンジンをかけてエアコン付けてもよしになった経緯が有るのです。エクセル東は山の中腹で日差しを遮るものは何も無くて、それこそ我々乗務員も熱中症の危機と闘っていました。バスの路線を開通するにあたっては色んな問題が有りますけど、重要な課題として、乗務員の休憩場所、トイレ問題などが有ります。道が有ればバスは走りますが、そのバスを走らせるのは人間です。職場環境を整えるのは会社の責務なのですが、くるくるバスに関して言うと、決して良好な職場環境とは言えません。それは、会社がさぼっているのではなくて、職場環境を整える事ができない地域で有ると思います。それ故に神戸市バスが乗り入れをできなかったのだろうと思量します。それでも高齢化の進む六甲山の中腹に広がる住宅地になんとか高齢者の足の確保のために、地域住民と事業者が協力してバスを走らせています。我々乗務をする人間も、住民の皆さんの思いがよく分かっているので、他の路線より就業環境の悪いくるくるバスの乗務を誰一人として不平不満を言わずに乗務しています。多くの住民の皆さんは阿吽の呼吸で分かってくださっていますから、乗務員に対してもいつも感謝の言葉をかけてくださいます。くるくるバスでは、我々乗務してる方からしては、『乗ってくださってありがとう。』住民の皆さんからは、『乗せてくださってありがとう』の大変良い状態が維持されています。しかしながら、先日の張り紙にはちょっとがっかりしました。くるくるバスにはご意見箱も有りますし、各自自会や管理組合の代表の集まる『くるくるバスを守る会』も有ります。アイドリングに関しても、地元の自自会を通じて付近の住民の皆さんの許諾を得ています。マジックで書かれたアイドリングに関する不満はご意見箱や自自会を通じて、守る会へ提議して頂ければちゃんと対応できる体制は有るのです。それを匿名で運転手のみに抗議をするのは我々乗務している者からすれば、ちょっと矛先が違うんじゃないのと思う次第です。そのビラを見て立腹して破り捨てた乗務員の心情は理解できます。私はくるくるバスの開通直後から乗務していますが、開通当初は真冬ということもあり、六甲山の中腹は下界よりも随分と気温が低いのです。でも、アイドリングして付近の皆さんへ迷惑をかけないように、待機中はエンジンを切っていました。もちろん会社の指示ですが。待機は概ね15分なのですが、足下から深々と寒さが伝わって来て、毎日使い捨てのカイロで寒さをしのんでいました。寒さをしのぐのは着るものやらカイロなどでできますが、暑さはしのぐ事ができないのです。他の路線は運転手はネクタイをしていますが、くるくるバスの乗務時だけはネクタイを取ってよしになっています。それでもどうしようもない暑さが有るのです。まさか暑いからと言って裸になるわけにもいかないし。
我々乗務員は沢山の人の命を預かっています。自分の体調不良によりお客様の命を危険にさらすわけにはいきません。出庫前の点呼においても健康状態をチェックされます。出庫後に体調不良になるような環境は是非とも避けなければいけない事は自明の理です。待機場所にはバスの駐車場が有り、休憩する建物が有ってそこには空調が有る、そんな環境が理想ですが、(みなと観光バスの他の就業場所にはそういうところも有ります。)無ければ無いでなんとか対処して、高齢化の進んだ住吉台の住民の皆さんの足を確保しなければならないと思います。これが公共交通に乗務する者の覚悟として日々頑張っている次第です。