200円の笑顔

こんばんは。
今日はくるくるバスでの一こまのお話です。
21時16分住吉駅発最終便での出来事です。
さすが25日の金曜日だけのことは有って、最終便でも17〜18人のお客様が乗ってこられました。一番後から乗ってきた20歳過ぎの女性がお財布を持って困ったような顔をしていました。どうしたのだろうと見てるとそのお客様は「お金が無いんです。」と言われるのです。私は事態が把握出来ずに、「はぁ〜?」と聞き直しました。すると女性は黄色のお財布の口を大きく開けながら、もう一度「お金無いんです」と言うではないですか。つまり、お金は無いのだけど、バスに乗って帰りたいという意味ですね。私は一瞬唖然としましたが、最終便であるし、うら若い女性に歩いて帰れとも言えずに、「じゃ、おじさんが¥200貸してあげよう」と言ってポケットから¥200出してその女性に手渡しました。女性は私から受け取った¥200を料金箱に投入して後ろの方へ行きました。
あの場合の選択肢としては、あくまで料金を払わなければ乗せない、乗車を拒否することもできました。また、無賃乗車をさせる事もできました。しかしながら、無賃乗車は明らかにルール違反です。乗務員の私がそれを認める訳には絶対にできません。この二つの選択肢の両方を選択したくは無かったので、私がお金を貸しました。目的のバス停に到着して下車しようと乗降口まで来た彼女は、「どうやってお返ししたら良いですか?」と私に尋ねるので、私は、「次に私のバスに乗った時に返してくれればいいよ」と告げました。するとどうでしょう、彼女は満面の笑顔を私になげかけてくれました。あの笑顔が¥200では安いものです。お金を貸したのに名前も聞かずに別れた事の後悔は微塵も有りません。彼女は次に私に出会った時は貸した¥200と共にもう一度あの笑顔を私に施してくれることでしょう。ただし、この処理が乗務員として正しい処理かどうか私には判断がつきかねます。会社に帰ったら先輩の運転手がいたのでこの度の処理の正否について尋ねたところ、その先輩もそういうことに出会った事が無いので判断が付きかねるが、ただ処理の仕方としては、携帯電話を貸して家人にバス停までお金を持ってきて貰う事も出来たのでは?とアドバイスされて、その手が有ったかと思いました。
まだまだ半人前ですね・・・・・。


次の日

夕方の6時過ぎの住吉駅発の便で彼女は満面の笑顔と共に¥200を返してくれました。
その時はちゃんと定期券を提示していました。
きっとどこかで定期券を忘れたのでしょうね。
それにしても笑顔の可愛い子でした。



鍋平様

姉歯建築設計事務所の構造計算書偽造事件に付いては、もう少し事実関係が明らかになってから私の意見を述べたいと思ております。あじさい事務所の代表として避けて通れないことは承知しております。