参考人招致

おはようございます。
昨日は国会の国土交通省委員会で構造偽造書問題についての参考人招致が行われていました。昨日は小悪達の招致なので、少しは問題が明らかにされるだろうかと注目していましたが、ここでもいかんなくみんな自分の責任逃れに終始して、腹立たしい事この上なかったですね。総研の四ヶ所氏なんてどうですか、スーパーゼネコンで10年も構造計算専門の仕事をしていて、「気付かなかった」は無いでしょう。いい加減にして欲しいですね。
それではたと気付いた事があります。
偽造されたマンションで住民が壁を壊して検査したってのが有りますよね。そのマンションを施工したのは太平工業だったらしいですね。
太平工業と聞いて思い出した一件が有ります。
数年前私が関わった案件なのですが、神戸で震災直後に一階が事務所と加工場、2階がワンルームの賃貸、3階が自宅との建物が有りました。
その建物を建設したのが太平工業でした。
そのビルを建設した父親が亡くなり、息子さんが相続したのですが、建設の為に借り入れたお金のローンが返せなくなって売却しようということになりました。
私が建物をチェックすると、唯一の出入りするための階段が逆勾配で雨が降ると水が抜けないようになっていました。それで階段部分の鉄骨が錆びて強度不足になっていたので、これは明らかに施工ミスであると判断しました。
亡くなった父親が交わした契約書を見るとまだ保証期間中だったので、太平工業に対して修繕を請求しました。
返ってきた答えは、契約者以外へのクレームは認めないでした。
そんなバカなことは有りません。所有権の移転の原因は相続です。たとえこれが売買で有っても前所有者の権利を次の所有者は認められなければなりません。
簡単な例ですが、買ったばかりの新車を誰かに売ったとします。買った人がその車に不具合が出てメーカーにクレームを申し出るとどうでしょう?メーカーは第三者に名義が変わったからと言ってその責任を取らないと言うでしょうか?言いませんよね。
この太平工業の回答は明らかに民法その他関係法令に照らしても公序良俗に反しています。
裁判で争えば必ずや勝てるのは目に見えているのですが、売り主の息子さんには時間的余裕も金銭的な余裕も無かったのです。
仕方なく、修理見積もりを取ってお金を出すから修理してくれと修繕の工事の契約をしました。
ただし工事費の支払いは工事終了後一ヶ月以内と言うことにしました。
修繕工事も終わって、そのビルの売買契約も所有権移転も滞りなく終わり所有権は買い主に移転しました。
売り主の息子さんは修繕費を支払う前に破産申請をしました。
その後免責は認められて修繕費を支払う事は有りませんでした。
この一連の息子さんの行為は違法かもしれません。
しかしながらゼネコンを相手に一個人が争うには、時間的や金銭的にこの手段しか無かったのです。

強大な敵を相手に争う私の真骨頂の様な一件でした。