まずは良き人であれ。

おはようございます。
またまた早朝にブログを書いております。今日も朝から路線乗務なので、一年で一番忙しい夕べは仕事ができませんでした。今日の乗務は無断退職(敵前逃亡)した運転手の穴埋めなんです。(>_<)
さて昨日はこんな事件が有りました。午前中の事です。S運転手が鼻番だったのです。そこへ一人の男性が乗り込んで来ました。その男性はシートに座って、「ジャスコはどこですか?」と尋ねたらしいです。S運転手は、「駅の北側で歩いても行けますよ。」と返答したそうです。その男性は、「じゃ歩いて行きます。」と言って下車して歩いて行ってしまいました。丁度私はその時にコーヒーの空き缶を捨てに車を降りて、鼻番の近くのゴミ袋に捨てに行くところでした。降りた男性はバツが悪そうに笑い顔で歩いて行きました。すると後ろの方に待機していた寮車のO運転手が猛然と怒り出しました。S運転手がワンメーターだから乗車拒否したと勘違いしたのです。S運転手が事情説明をしても、言い訳としか捉えずに、「会社へ言う!」と並んでいたのを抜け出して、会社へ帰って部長に報告をして処分してくれるように言ったみたいです。私はS運転手に、「私が聞かれたらお客は怒ってないし、バツが悪そうに笑っていたよ。とちゃんと言うからね。」と言いました。結局会社から私は事情聴取はされずに、部長からS運転手には、『客が一度乗り込めば発車してしまうように。』と注意が有っただけらしいです。タクシーを利用する人の中には地理が不案内で乗って来られる人もおられます。私も『エッ!?』と思うほど近い距離をご乗車頂いたことも度々有ります。そんな時は、荷物が重いのかなぁ〜、とか、地理不案内だろうなぁ〜とか、勝手に理解して何も言わずに「ハイッ」と返事して走ります。そんな時は到着するとお客様は、「こんなに近かったんだ。運転手さんゴメンね。」と言ってくれます。私は、「いえいえお気になさらないで下さいね。」と返事をします。夕べの私のお客もそんな人がおられました。「焼き肉ののむらへ行って下さい。」と言われるので「ハイッ」と返事をして車を進めてから、「お客様実は『のむら』は駅の北側からの方が料金が安いんですよ。南から乗ると三角形の二辺を走るのですが、北からは一辺を走るからその方が早いし安いのですよ。」とお教えします。この方法が一番トラブルが起こらないのです。心情的には今回のS運転手の様に発車する前に教えて近い方から乗って頂きたいのですが、それを許さない雰囲気が有るのです。
昨日の事についてもみんなで侃々諤々と論議をしました。私はS運転手の数少ない擁護派です。運転手としてはまずかったかもしれないけれど、『人』としてはそれで良いのだろうと思う、が私の意見です。最優先させるべきは、『よき人であれ』であって、決して『よき運転手』ではないと思うのです。『よき人』と『よき運転手』のどちらを選ぶかと言う局面があれば、迷わずに『良き人』を選ぶべきだと思うのです。つまり、よき経営者とか企業人とかよりも、『良き人』『善良な人』で有ることを優先すべきだと思うのです。その為に利益が減っても、それが『フォァー ザ カスタマー』ならば、それをチョイスすべきだと思う次第です。長い目で見るとその方が売り上げに繋がる場合が多いのです。関西で言う『のれんを大事にする』と言うことは、押しも隠さず『お客の立場に立った商売をする』事だと思うのです。