遅かれ早かれこうなる事は分かっていたのですが。

おはようございます。
さっきTVを見ていたら、ペルー沖でエルニーニョ現象になりかけているとか。ペルー沖の海水が上昇すると、アジアの海水が熱くならずに太平洋高気圧の勢力が弱まって、日本の夏が涼しくなって天候不順になる。これがエルニーニョ現象らしいのですが、ペルーは南半球だから丁度季節が逆、今が晩秋でこれからが冬に入って行くのですね。天候不順になるとアジアの食料生産量が減少、中国やインドと言う世界屈指の大人口を抱えるアジアの民が食糧不足になってくる訳で、えらいこっちゃ。といえば少しおおげさかもしれませんね。
さて、タイトルのお話なんですが、これもTVのニュースでやっていたのですが、大阪市の『赤バス』がどうやら廃止の検討に入ったとか。『赤バス』とはコミニティーバス。一時流行ったワンコインバスの事です。ちょっと小さめ、大阪市赤バスフォルクスワーゲンの29人乗りの路線仕様なのですが、お安いのに誰も乗らないのです。私もみなと観光バス時代は、コミニティーバス、住吉台くるくるバスの乗務をしていたのですが、これはコミニティーバスと言えども、道路運送法上では4条バスと言って、何ら普通の路線バスと変わりはないのです。それに比して、多くのコミニティーバスは211条バス、厳密には道路運送法21条の2項バスなのです。要するに4条バスが普通の路線バスで、21条バスは普通の路線バスが運行できない赤字路線とかのバスなのです。だからコミティーバスで4条認可で、尚かつ行政からの補助金は一銭も貰っていなくて、これが黒字運営しているのは、日本広と言えども、『住吉台くるくるバス』だけなのです。住吉台は人口が3900人なのに、乗客は多い日で1000人を越えるのです。人口の約4分の一が利用するバスなんて日本中どこを探しても有りません。これを運んでいるのは、3台の中型バスと一日6人のバスなんです。これにはものすごく工夫がこらされております。詳しくは述べませんが、この工夫と会社と乗務員の努力、それに忘れてはならないのは住民の協力、ここでもしっかりと、『売り手よし、買い手よし、世間良し』の法則が成り立っているのです。しかしながら日本中に星の数ほどある多くのコミニティーバスはどれかが欠如しているのです。だから利用者が少ない、赤字がどんどんふくれ上がる、そのうち廃止論が出て来る、いつまでも赤字のままで走れる訳がないのです。私は『住吉台くるくるバス』の後、加古川市の西部を走るコミティーバスに乗務したのですが、これがお客さんが乗らないのです。原因はしっかりと判別しているのですが、黒字化しようと運行している加古川市もしないのです。全く路線バスと言う物をなめているのです。もしくは流行に乗っているか、住民の要望だから仕方なくアリバイ的に運行しているのです。これで大赤字だから廃止すると言えば、住民も諦めてくれるだろうと、ま、そんなところなのでしょうね。黒字化は可能かもしれません。人口3900人の住吉台が黒字なのだから、沿線人口が数万人もあるところのバスがやる気を出せばできるはず。だれも本気でやらないだけなんです。廃止で困ってしまうのは、交通手段を持たない『交通弱者』、圧倒的にお年寄りが多いのですが、これから高齢化が進んで、今月の道交法改正で改正された、高齢者で免許更新時に免許が更新できない、つまり取り消しになってしまう人も増加をしてくるのです。ますますお年寄りは『足』を奪われてしまうのです。今はさほど問題にもなっていませんが、近い将来に高齢者の交通アセス問題が出て来るのは必至なんです。公共交通コンサルタントの私としても、心痛い思いでいっぱいです。